精子のDNAと卵子のDNAの出会い

ヒトの精子はオタマジャクシのような形をしており、頭部、中間部、尾部、終末部の4つに分かれます。全長は約60µmほどで肉眼ではまったく見ることはできません。そのうち頭部の長さは5µmしかありませんが、この精子の頭の部分には、遺伝情報が詰まっています。

精子の頭部には、「核(Nucleus)」というものがあり、ヒトの遺伝情報となるDNAの半数はこの核の中に入っているというわけです。

そして、女性の卵子の中にはもう半数のDNAが入っていて、受精によって、このDNAが掛け合うことで完全な情報となります。また、精子の頭部には、卵子と出会って中に侵入するために「先体(Acrosome)」という機能があります。

その機能とは、精子が卵子に到達したときに、先体に含まれる酵素を出すと、卵子の周りに存在している透明帯に穴が開き、中に入ることができるというもの。さらに、この透明帯は複数の精子の酵素により破られるわけで、そのときにいち早く中に入れた、競争に勝った一匹の精子が卵子と合体できるのです。放出された精子と女性の卵子がこのような出会いを果たしているなんて、ドラマティックですよね。

精子は鞭毛構造により活発に動き、泳いでいくことができます。精子の鞭毛は、気管支などの繊毛と同じく円形に配列した9組の軸糸の真ん中に、2本の軸糸がある構造になっています(9+2の軸糸といいます)。もちろん肉眼では確認することはできませんが、電子顕微鏡を使うとその構造を見ることができます。

この9+2構造が壊れてしまい、9+0構造になっている場合、精子の運動量がほぼなく(運動率40%以下)、「精子無力症」と診断され、自然に授精することはまずないと考えられています。そのようなときは、顕微授精を行うのが最も適している方法でしょう。

また、精子が活発に動くためのエネルギーがどこにあるのかというと、中間部に存在しているミトコンドリアです。ちなみにDNA情報は頭部のみにあり、中間部や尾部および終末部にはありません。この部分は受精後には機能せず、頭部のみが機能します。

 

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