視診や触診でどこを見るのか?

男性不妊症の検査の場合は、その他にも、視診や触診、超音波検査をします。目で見て診断する視診ですが、いったい医師がどこを観察するかというと、まずは「」です。

正確には顔の中の「ひげ」の状態を見ます。ひげは男性ホルモンの影響を受ける部分のため、医師はひげを見て男性ホルモンが正常に分泌されているかどうかを判断します。

そして次に陰嚢を見ます。陰嚢の内部には精巣、精巣上体、精管、リンパ管、精索の動静脈などがありますので、ここに異常がないかどうかを確認します。特に男性不妊の原因で最も多いとされるうちのひとつ、精索静脈瘤が陰嚢内にないかどうかを、特に気をつけて確認します。目で見てもわかるぐらいの精索静脈瘤がある場合は、3段階のうちで最も高い値となります。精巣の視診は下着を脱いで診察となりますが、医師はたくさんの患者を診てきていますので、恥ずかしがる必要はありません。

そして、下腹部に手術痕がないかどうかもチェックします。子供の頃に行った手術の場合は、本人が把握していない場合もありますので、必ず見て確認します。また、陰毛が薄い場合は男性ホルモンの分泌量が正常値ではないこともあります。

続いては触診です。陰嚢を触って確かめていきます。先ほどの精索静脈瘤のありなしも確認しますが、精管や精巣上体についてもチェックをします。

精管が非常に細い場合や、先天的に精管が欠損している場合などは、精巣内で精子がつくられていても、その精子が外に出てくることができません。閉塞性の無精子症となるわけです。そして精巣上体につきましては、精巣上体に炎症を起こしたことがある場合、硬結というしこり状のものに手が触れることがあります。これも精路閉塞の原因である可能性があります。その他、精巣腫瘍や精巣水腫、精液瘤などがないかを触って判断します。触診では判断できないこともありますが、この触診で見つかる原因もたくさんあるのです。

さらに、精巣の大きさを測定します。正常な精巣の大きさは16~24mlといわれています。これよりも精巣が小さい場合は、精子がうまくつくられていないということも考えられます。しかし、精巣が小さいと絶対に無精子症であるとはいえません。事例によると4mlほどの精巣でも、精液の中に精子がいると確認されたこともあるようです。

男性不妊症の方は、そうではない方に比べて、精巣に腫瘍があることが多いのですが、これについては、超音波検査(エコー検査)でチェックすることができます。自分で触って気づく腫瘍はかなりの大きさになっているわけであり、見たり触ったりしても気づかないほどの小さな状態の腫瘍を、この超音波検査で見つけることができるのです。この検査を行うことで、不妊治療だけではなく、患者の命を救うこともあるのですね。

精巣に腫瘍がある場合、精子をつくる精細管が減っていきます。またホルモンのバランスが不安定になることで、造精機能障害を起こすと考えられています。

また、精液の量が極端に少ない場合は射精管閉塞の疑いがあります。そういうときには、肛門から直腸にエコーのプローベを入れて、前立腺のあたりがどのようになっているか超音波で検査します。この検査は、必要であると判断された場合のみ行うこととなります。

 

カテゴリー

最近の投稿