精液が膀胱に流れてしまう逆行性射精の治療法とは

通常の射精の際は、尿道側の出口が閉鎖され、膀胱内に流れないようになっています。しかし、この閉鎖がうまくいかない場合、精液が膀胱に逆流する現象が起こります。これが逆行性射精です。

過去に前立腺の手術を受けていたり、糖尿病の既往歴のある方がなりやすいですね。逆行性射精でも射精感はありますが、射出される精液の量がかなり少ない、またはまったく出ないという方もいます。このように、精液の中の一部が膀胱に逆流してしまう「不完全逆行性射精」と、精液が全て膀胱に逆流する「完全逆行性射精」があります。

治療方法ですが、抗うつ剤のイミプラミンなどを使用します。なぜ抗うつ剤?と思いますよね。これは、抗うつ剤の副作用を利用した治療法なのです。この薬には、膀胱頸部を閉じる作用があるため、逆行性射精の症状を抑えてくれるというわけですね。しかし、この投薬で症状が改善するのは約半数だと予想されます。ただ、少しの量でも精液が出れば、その中に含まれる精子で人工授精などが可能になります。逆に、まったく出ない場合は、まず尿をすべて出して膀胱を空にした後、培養液を膀胱内に注入して、射精をし、尿の中に含まれる精液を回収します。その精子を用いて人工授精や体外受精、顕微授精を行います。いったん尿をすべて出してから、わざわざ培養液を注入する理由ですが、精子は尿中に放出されてしまうと、その浸透圧によりダメージを受けてしまい、死んでしまうからです。

こうして取り出した精子を使って顕微授精などを行ったとしても、必ずしも良い結果になるとはいえません。それほど精子は尿の影響を強く受けてしまうのです。その場合は、精巣から直接精子を取り出し顕微授精を行うという手段もあります。ちなみに、精子は精巣内ですでに作られているため、回収するのもわりと簡単にできます。想像すると「痛そう!」と思われるかもしれませんが、痛みもほぼないので安心してください。

 

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