非閉塞性無精子症のホルモン治療

非閉塞性無精子症の患者に対して、精液中の精子を増やす根本治療が可能と考えられているのは、結成FSH(卵胞刺激ホルモン)値、LH(黄体化ホルモン)値、テストステロン値が低い場合と、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症の場合のみとなっています。この場合の治療は、FSH製剤やhCG製剤でホルモン療法を行うことで、精子形成を促すことができます。

低ゴナドトロピン性性腺機能低下症は、生まれつきである「一次性」と、生まれてから発症した「二次性」があります。二次性のときは、治療で改善する見込みが大きいです。一次性の方でも、だいたい半分以上の方に精子形成が起こるようです。ただ、低ゴナドトロピン性性腺機能低下症は、非閉塞性無精子症の方の中でも1%以下とかなり頻度は低いです。

ほとんどの治療は、hCG製剤のみでスタートするのが基本です。注射を週に2~3回行うのですが、最近では自己注射もできるようになりました。そして6か月のあいだhCGの単独投与を行い、精液検査を行いながら経過を見て、FSH製剤が必要であれば投与します。治療前の精巣容量には個人差があり、この容量が造精機能の回復度合いに関係します。もともとの精巣容量が少ない方は、精子が精液中に出てこないこともあります。また出てきたとしても正常値まで上がらないこともあるのです。その場合は、精巣精子を採取したり、体外受精や顕微授精を考えなければなりません。どのタイミングで次の治療に移行するかですが、治療を開始して約1年ほどが目安です。

もっとも多いのが、血清FSH値が高値である非閉塞性無精子症ですが、血清FSHの値が高いことが原因ではなく、単なる結果のため、数値を下げることに意味はありません。そして、この場合の根本的治療はないというのが現状です。

ただし、この非閉塞性無精子症の方の中でも、ごくわずかですが精子がつくられている場合があります。精巣内の精細管は1000~1300本もありますが、そのすべてにおいて精子形成がされているわけではありません。ちなみに、精液検査で正常値の一般の男性の方は、ほぼ全部の精細管で精子形成がされているようなので、精子の数も多いですが、もともと精子の数が少ない方は、精子が精路を通る際にダメージを受け、精細管で精子がつくられているのにもかかわらず途中で死んでしまい、射出精液の中には出てこない、といったこともあるのです。

 

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