精細管手術の前に精子形成の有無がわかるか

たとえ世界一の腕利きである名医が担当であっても、患者の精巣で精子が全くつくられていなかったら、精子を採取することは当然、不可能です。非閉塞性無精子症の場合は、わずかに精子形成がされている人と、まったくされていない人がいます。

わずかに精子形成がされている方は、精巣で精子形成がそこそこされているはずなので、精液内に精子が見つかります。しかし、「精子がつくられているいい精細管」を手術で見つけられないこともあります。非閉塞性無精子症の人の50%ほどは、精子形成は行われていると考えられるでしょう。しかし、精細管を採取する手術の前につくられているのか、いないのかを判断するのは現在の技術を使ってもはっきりとわからないというのが問題点です。

多くの術前検査の数値を、「精子回収ができた人」「精子回収ができなかった人」に分けて研究をしても、精子の回収が成功した人の特徴というのは割り出すことができませんでした。そのため、手術の際には患者全員へ、採取できる確率は50%ほどであるがよいか、ということを確認する必要があります。

この選択は患者を悩ませることになります。精子が採取できるかどうかわからない状態で体にメスを入れることになるからです。それでも多くの方は、「もしかしたら精子が採取できるかもしれないから」という望みをかけて手術を受けることを決断するのです。

無精子症であることの原因を、術前に特定できれば、無用な手術を行うことはしなくて済みます。しかし、この分野の研究は、まだまだ発展途上のため、術前の原因特定は難しいというのが現状です。

 

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