男性不妊の原因にもなる停留精巣

乏精子症や無精子症の原因として、停留精巣というものがあります。精巣は、男児の胎児期(妊娠3か月~9か月頃まで)に、腹腔内から陰嚢まで下がり、生まれたときには陰嚢内におさまっているのが普通です。

しかし、この下降が途中で止まってしまうことを停留精巣といいます。低出生体重児の中では20%ほどにみられ、子どものころに手術を経験している方も少なくありません。陰嚢内に降りると、精巣の温度は下がります。体内に精巣があるまま長い期間を過ごしてしまうことで、精子の幹細胞がダメージを受け、成人したときにこれらの症状が出てしまうことがあるのです。

停留精巣であったとしても、だいたいは1歳半の検診で異常が見つかります。しかし中にはまったくそのことに気づかず、不妊治療を開始してから気づく方もいます。停留精巣は片方だけに起こることも、両側に起こることもあります。もし、小児期に停留精巣の手術を経験していて、乏精子症になっている方は、補助生殖医療も検討する必要があるでしょう。なぜなら、精子濃度や運動率を上昇させるとはかなり難しいからです。

無精子症の場合、micro TESEをおすすめします。精子回収率も良いという結果が出ています。成人の方の停留精巣の場合は、陰嚢内に精巣を固定する手術をします。この手術だけでも、造精機能に回復がみられ、射出精液内に精子があらわれるようになったという事例もあります。

ただし、その時間は約半年ほど経たないとわからないため、非常に時間がかかります。なので、この手術の前にmicro TESEを検討してもいいかもしれません。固定術を先に行ったときは、術後に1年間ほど精液検査を行って、無精子症が治らないようであれば、micro TESEへと移行することになるでしょう。どちらを選ぶかは、女性の年齢や夫婦の意向などを考慮して、相談しながら決めていきます。

また、停留精巣はがんにもなりやすく、陰嚢内に固定することで大きさに変化がないかなどを自分で確認することができます。気づいた時点で、早めの治療を行うほうがよいでしょう。

 

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