高度生殖医療で出産した子供について

高度生殖医療で妊娠した場合、胎児に異常がないか、元気に生まれるか、障害がないかどうかは気になるところでしょう。1980年代ごろから射出精子を用いた体外受精はスタートしており、たくさんのデータの蓄積があります。その結果、生まれた子供に奇形が見られることは珍しく、通常妊娠と比べてもその後の発育には問題がないと見てよいでしょう。

しかし、精巣精子を用いた体外受精を行ったとき、特に非閉塞性無精子症の方や、精巣がんでがんの部分を避けて採取した精子を用いた出産のデータについてはまだ不足しているため、生まれた子供に奇形があったり、発育に問題があるかどうかというのははっきりとわかっていません。

ただし、生まれたのが男の子のときは、造精機能には異常が認められることが多いのではと考えます。始まってからまだ10年ほどしか経っていない治療法のため、生まれた男児の造精機能についての情報はまだ集まっていないので、もう少し症例が多くなると、確率がどのくらいなのかなどもわかってくるとは思いますし、また生まれた男の子が無精子症であったとしても、その子が大人になるころにはmicro TESEよりも良い、別の治療法が普及している可能性もあります。

また、高度生殖医療で妊娠した場合の流産の確率ですが、様々な文献を見る限りその確率は20%前後と高いようです。実際に、受精に成功し、着床もできたが流産してしまったということもあります。原因は精子側にあることが多いのではと考えられますし、もちろんそのことは悲しいことですが、根気よく治療を続ければ、子どもを産むことも、生まれた子供を元気に育てることもできるかもしれませんので、あきらめないことが重要だと思っています。

 

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