男性不妊においての病院選び

もし男性が「自分が不妊かもしれない」と思ったときに、いったいどの科を受診すればよいのでしょうか。日本の病院では、生殖医療科や不妊科というものがないため、女性に連れられて婦人科に行く男性が多いようです。もちろんそれでも診療は可能でしょうが、基本的には女性の体を診るところですから、専門とはいえません。

医師には得意分野や専門分野というものがあるため、男性不妊に詳しい医師に診てもらうことが重要です。あまり男性不妊に詳しくない医師に診てもらって、のんびりしているうちに女性側の生殖可能年齢が過ぎてしまった、ということにもなりかねません。

最近では、インターネットでこれらの情報を入手する方も多いと思いますが、ネット上の情報や口コミの中には、間違っているものも見受けられます。また、医師と患者、治療法には相性というものもあるため、ある人にとっては良くなくても、また違う人にとってはぴったりだった、ということもあり得ます。病院を選ぶ際には、様々な点を考慮する必要があります。

たとえば、臨床データを公開している病院を選ぶ基準にするのもよいでしょう。病院もしくは医師が手がけた症例数というのは、そのまま施設の熟練度となります。たくさんの経験を積んでいる医師のほうが、腕を信用することができますよね。また、日本では補助生殖医療の質的向上をはかるために、補助生殖医療専門施設の団体(JISART)があります。これに加盟している施設は、厳しい施設認定審査をクリアしているということですから、一つの目安になるかもしれません。

また、医師やスタッフの数が多いかどうかも目安になります。現代の不妊治療は、婦人科医師のみが全ての工程を行うことはかなり難しく、質の高い生殖医療を目指すためには、複数のスタッフでチームを組んで動くことが大切です。また、卵子や精子、受精卵を扱う胚培養士の人数も重要です。スタッフが多いということは、これらの連携がとれており、教育も行き届いていると考えられるので、高評価となり得ます。

そして、施設が男性不妊専門医と連携が取れているかどうかもポイントです。婦人科であっても、男性不妊専門医と連携が取れているようであれば、もし、男性を検査して数値が思わしくなかったときに、婦人科医から男性不妊専門医へ相談することも可能でしょう。もちろん、男性不妊専門医の数は非常に少ないので、施設に常勤してはいないこともあります。しかし、きちんと連携がとれていればいいわけです。婦人科医の中にも、男性不妊に詳しい医師もいますから、そのあたりの見極めも重要です。

もし自分が患者となる場合には、男性不妊の知識については少し勉強しておいたほうが良いでしょう。そのことを婦人科医に伝えたり、男性不妊専門医を受診すれば、治療法も変わってくるということもあるからです。不妊治療は男性、女性どちらか片方だけではなく、夫婦そろって治療を始めるのが重要です。そして、婦人科医と男性不妊専門医の連携、または医師と胚培養士との連携がとれていることも外せません。治療の関わる全ての人が、強い信頼関係で結ばれていることが大切なのです。こういった体制がとれるような施設での治療は、良い結果も期待できます。

施設にとっては大変なことですが、休みが少ない施設で診てもらうことも重要です。女性の排卵はそうそうずらすこともできませんから、良いタイミングで治療を行う必要があるからです。平日や休日にかかわらず、仕事をしながらでも通いやすい施設を選びましょう。そうすると、おのずと医師はひとりだけではなく、複数いるような施設になるかと思います。ただし、医師が多すぎて治療のたびに違う人、というのも考えものです。こういった点には注意するようにしましょう。

いま、不妊についての医療はどんどん進歩しています。子供をもてる可能性が十分にあるのに、ひとりの医師の言葉のみで、その機会を失ってしまうということも考えられます。診察の際、または治療の際に不安なことがあったら医師に相談しましょう。もし、患者が不安に思っているのにもかかわらず、自分の意見を押し付けたり、急に怒り出したり、機嫌が悪くなるなどの対応が見られたら、別の医師にお願いしたり、施設を変えるということも必要でしょう。

誠実な医師はみな、「どうかこの夫婦に子供が授かりますように!」という思いで治療に当たっています。もちろん、患者さんに無用な痛みを与えることも極力避けています。そういった気持ちのない医師は、治療にあたるべきではないのです。

また、日本では外来診療がとても混雑していますので、診療時間もあまりとれないというのが現状です。そのため、患者の方も、聞きたいことはあらかじめまとめておくなどの工夫が必要でしょう。そして、治療内容についてはきちんと理解してから次のステップに進むことです。納得がいかないことを残したまま治療が進んでしまわないように注意しましょうね。

 

カテゴリー

最近の投稿