男性不妊への意識の低い婦人科医について

日本における不妊治療を、他国と比べるとどのようになるのでしょうか。まず、日本で不妊治療を受ける場合、保険がききません。そのため、不妊治療にはお金がかかると思っている方も多いでしょう。そして、他国と比べてその生殖医療のレベルはいかほどのものなのでしょうか。

2005年におけるデータによると、体外受精、顕微授精、凍結胚融解肺移植は日本の中では552施設で行われています。総周期数については125,470周期、そして19,112人の子供が誕生しています。アメリカは日本の人口の約3倍ですが、同じ年に実施した施設数は422あり、総治療周期数はだいたい同じくらいの134,260周期。そして日本の倍ほどの38,910人の子供が誕生しています。また、オーストラリアは日本の人口の約5分の1ほどで、実施施設数はわずか30施設。総治療周期数は43,493周期、そして9,403人の子供が誕生しています。

このようなデータを人口比で見てみると、世界一の補助生殖医療大国はオーストラリアということになります。アメリカやオーストラリアは日本の数十倍の面積ですので、日本では不妊治療施設の数としてはかなり多い割に出生率が低いといえるでしょう。

オーストラリアは効率のいい不妊治療を行っていますが、医療レベルとしては日本もひけをとらないと感じます。日本の問題点は、症例数の少ない施設においても補助生殖医療を行っているという点です。患者の利益や安全管理の面でも、補助生殖医療についての規制を考えるべきでしょう。

しかし、そんなオーストラリアですが、日本と同じく男性側因子については無視されがちになっています。オーストラリアは、泌尿器科が男性不妊治療を行うことがほぼなく、医師は自分の専門外だと思っています。もし、婦人科で男性不妊が発覚した場合、その患者を内分泌内科医に紹介します。実際に治療することになれば、婦人科医が担当することになります。また男性が診察を受けるときには、同じ施設内でも入り口や待合室などを別の場所に設けるなど、男性の気持ちへの配慮もあります。しかし、婦人科の専門は女性の体ですから、その治療レベルは決して高くはありません。男性も女性も同じ施設で治療できるのは好ましいことですが、あまり望む結果にならないことも多いのです。

日本では、婦人科医が、男性不妊専門の泌尿器科医と連携を取ることも増えており、高度な治療も可能になってきています。しかし、無精子症や高度乏精子症の治療では、婦人科医が誤った知識を持っている医師もいるようです。男性不妊診療のトレーニングを受けていて男性も女性もきちんと診ることができる医師もいますが、ごく一部でしょう。

比べて、アメリカは男性不妊への意識がとても高く、精液検査の結果が思わしくないと、すぐに男性不妊専門医を紹介されます。そして不妊の原因を明らかにし、その後、体外受精や顕微授精などの補助生殖医療を行うことになった際も、男性不妊専門医がきちんと意見を言ってくれるようです。

 

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