少子化問題と不妊治療

不妊治療の治療費に関しても、日本とその他の国では違いがあります。日本では保険がほぼきかず、国からの補助もほとんどないというのが現状です。最近は地方自治体単位で年間に10万~20万円ほどの補助金が出るところもあるようですが、それではまったく足りません。治療費は自己負担となるので、長期で治療を行う患者にとってはかなりの負担額となります。

一方、アメリカは医療費自体が非常に高いことで有名ですが、任意保険でカバーできることも多いので、不妊治療についても自己負担額は低めの傾向です。しかし任意保険は良いものになると当然保険料も高くなりますので、トータルの負担額は多くなってしまうのかもしれません。こちらも州によって一部助成がされることもあるようです。

そして、ほぼ全額が国の負担となるのがオーストラリアです。同国では、少子化対策として不妊治療を前面に打ち出しています。そのため患者はお金のことを気にせずに、安心して治療を受けることができます。

そして、最近ではアメリカで不妊治療をする際に任意保険ではカバーできなかった人たちが、日本で治療を受けるというケースもあるようです。また、発展途上国の富裕層の方々が、高度な医療技術を求めてオーストラリアや日本に来ることもあるそうです。今後、このようなメディカルツーリズム(医療観光)は増えるのではないでしょうか。

全体の生殖医療の臨床レベルは、日本がトップクラスです。治療の方針などは担当する医師によって異なりますが、日本には、妊娠が成功するまで治療をし続けたいと考える医師が多く存在していると感じます。日本では卵子提供プログラムがないため、どうしてもそうなってしまうのかもしれません。

日本では今、少子化問題が取り上げられることが多いのですが、それであれあb不妊治療についてもう少し考えていく必要があるでしょう。がんや心疾患などについては、多くの医師や研究者がおり、国からの研究費や治療への補助もありますが、そもそも出生の段階である受精から誕生について注目されることが少ないのが残念です。このままでは生殖医療の分野について、諸国に遅れをとるのではないかと危惧しています。

これから生まれる子供たちは、未来の社会保障制度を支えてくれる存在です。そして、この世に生を受けた子供が、これから先にどう活躍し、たくさんのものを生み出してくれるかなどの可能性に期待したいところでもあります。生殖の問題は、国にとっても最重要事項でしょう。不妊治療の金銭的負担はかなり大きく、そのために治療を続けられず子供を持てない夫婦もいます。治療費が保険適用になったり、国からの補助がもう少し受けられれば、このようなこともなくなっていき、少子化問題も解決していくことができるのではないでしょうか。

 

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