不妊治療での挙児の確率

ここまで、不妊治療の内容についてお話ししてきましたが、治療を行った場合にはどのくらいの確率で子供を持てることになるのでしょうか。そもそも、男性不妊ということで、その誰もが治療の結果、妊娠できる、子供を持てる、というわけではありません。

まず、乏精子症の方は、なんとか運動精子が採取できればほとんどの場合で妊娠は可能なようです。もし、顕微授精を何回も行って妊娠の兆候がみられない場合は、女性側にも原因がないかを調べるか、精巣精子、または精巣上体精子を用いて顕微授精を行うのが良いでしょう。

しかし、無精子症の方の場合は、かなり難しくなります。閉塞性無精子症の方で精路再建術を施したとき(精管精管吻合術)でも、80~90%の患者で射出精液内に精子が出現するというデータがありますが、自然妊娠に必要な数の半数程度でしかありません。閉塞期間が長いほど造精機能は低下しており、個人の精子をつくる機能によっても左右されます。そして、女性側の年齢が比較的高い場合は、自然妊娠するように治療を続けるのか、次なるステップである体外受精や顕微授精を行うのかの判断は早めに行うべきでしょう。

精巣上体精管吻合をした場合では、その成功率はまず50%ほどであるため、自然妊娠できる確率はぐっと下がります。術者の技術にもよりますが、一般的に自然妊娠はかなり厳しいものと考えます。そのため、精路再建術はとばして、精巣精子採取から顕微授精を行う方も多いのですが、その場合でも妊娠ができるかどうかは微妙なところです。また、一度の顕微授精が成功するかというと、だいたい30~40%ほどの成功率となるため、成功しなかった場合は採卵から行い、再び顕微授精をということになります。受精卵がなくなるまで繰り返し顕微授精をすれば、挙児の確率は非常に高くなります。また、胚培養士の技術が確かな場合は、さらに確率は高まります。

治療での妊娠の確率を考えたときに、早く妊娠できるのは顕微授精の方が早いように思います。金銭的な面では精路再建術の方が安くなる傾向がありますが、一回の精巣上体精子回収術および精巣精子回収術で精子はある程度の量を採取できることが多いため、二度目を行うということもほぼありません。

 

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