不妊治療の止めどきについて

不妊治療の終わりは、妊娠したときになるでしょう。でも妊娠することができなかったら? できるまで続けたいと思う人がほとんどです。

体外受精や顕微授精を繰り返していくことは、肉体的にも精神的にも負担がかかります。それでも子供を持ちたいという強い思いに後押しされて、みなさん頑張っています。しかし、結果的に子供ができなかったら、あの辛かった時間は、かけたお金は何だったのだろう、と空しくなることもあるでしょう。

不妊治療をする上で大事なことがあります。それは、不妊治療が原因で夫婦仲が悪くなってしまうようなことはあってはならない、ということです。不妊治療は、夫婦仲が良く、安定しており、楽しい日々の中で行われるべきだと考えます。治療が長引くにつれ、夫婦間の温度差が生じて、ケンカになってしまう方々もおられます。一人だけで暴走することなく、夫婦でよく話し合いながら、納得して治療を受けることが望ましいのです。不妊治療の止めどきというのはとても難しいですから、継続するかどうか、きちんと夫婦で向き合って決めるべきです。

日本では、卵子提供のシステムも、精子バンクもありません。非配偶者間人工授精のシステムのみがあります。アメリカやオーストラリアにおいては、体外受精を何度しても妊娠しないときに、卵子提供プログラムに進むということが一般的です。また男性不妊の場合は、精子提供プログラムに進みますので、こうしてみると、やはり日本はこの分野については遅れているといえます。今後、卵子提供や精子提供、代理母までを不妊治療として、ルールを整備し、国がサポートすることで、少子化を食い止めることもできるのではないでしょうか。

現実として、代理母に出産をしたもらった場合、実子と認められない、という問題があります。しかし、海外で卵子提供を受けて日本に戻って子供を産めば、それは実子と認められます。日本の不妊治療においては血が繋がっている、ということに重きを置いているような気がします。しかし、生殖医療従事者、治療を受ける人、そして国民のみなさんが意識を変えていけば、世の中の動きも変わってくるでしょう。

患者の声というのは、国を動かす大きな力になり得ます。オランダでは現在、クラインフェルター症候群の方には精巣精子を用いた顕微授精は認められていません。しかし、医師と患者がこの法規制に対して異を唱え、規制緩和の動きがみられています。今後どうなっていくのかはまだわかりませんが、一人ひとりの力は弱くても、集まれば大きな力になります。大切なのは、あきらめないで声を上げ続けることなのではないでしょうか。

 

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