肥満の人ほど高まる高血圧の危険

肥満による体重の増加を原因とする循環系の負荷の増加

企業は、従業員の心身に対し、安全配慮義務を有しています。

2008年4月より、厚生労働省は、毎年行われる企業の健康診断の際に、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)につき、検査することを義務付けました。従来のBMIに、へその高さで腹囲を測る義務を追加したのです。

腹囲は、腹腔内の内臓に蓄積した脂肪の量と比例する関係にあります。2005年における日本肥満学会の基準によると、男性は85cm以上、女性は90cm以上となっています。へその高さでCT検査をすると、内臓脂肪面積が100cm2以上となるのです。

このような場合、①最高血圧は130mmHg以上、②中性脂肪は150mg/dl以上、③空腹時の血糖値は110mg/dl以上の3項目の2つ以上に該当する人は、メタボリックシンドロームであるという判定が下されます。その場合、動脈硬化が促進されることにより、体の老化が進みやすくなっていると考えられます。

しかし、この基準については、まだ、医師の間でも賛否両論があります。よって、今後の推移が見守られる必要があるといえそうです。

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予備軍約2000万人を抱えるメタボリックシンドローム

食物は、胃や腸で消化・吸収され、身体活動のエネルギー源となり、余分なエネルギーは、脂肪として体内に蓄積されます。

昔から飢えと戦ってきた人類の例に漏れず、日本人も、縄文時代より、飢えに苦しむことが常態化してきました。食物が摂取できない時に備え、余剰のエネルギーを体内に蓄えることは、人間にとっては、自然なことであり、生存にとって必要なことだといえます。しかし、過去50年ほどで、日本経済が繁栄すると、日本人は、「食べすぎ」という予想外の状態に至りました。

最近なされた厚生労働省の調査によると、メタボリックシンドロームの疑いのある20~74歳の人は、男性で25.3%、女性で10.6%とされています。

また、その予備軍としては、男性が21.9%、女性で8.3%とされています。

この数は、40~50歳代で急増し、そのうち、男性では、2人に一人、女性では5人に一人がメタボリックシンドロームであるか、その予備軍であるとされています。これは、人数でいえば、約2000万人に相当するということです。

 

食べすぎで運動不足の肥満者

余剰のエネルギーが体内に蓄積された場合、エネルギーの摂取量を抑制することで、脂肪を消費する必要があります。これは、食事の総エネルギー量を減らすということを意味します。「腹八分目」といわれますが、これは、実に理に適った格言なのです。

食べたいだけ食べ、運動で消費すればよいという考えもありますが、運動によって消費できるエネルギーはたかが知れており、これは、正しい考え方とはいえません。

たとえば、体脂肪1kgを減らすには、徒歩(60m/分)であれば37時間を要し、自転車(10km/時間)であれば24時間、ゴルフであれば24時間を要します。これらは、運動によってエネルギーを減らすことがいかに難しいことであるかを表しています。そのため、適正なエネルギー量の需給の均衡を保つことが必要となるわけです。

また、肥満者は運動不足になりがちです。運動が不足することで、筋肉が衰え、それにより、ますます運動することがいやになるという悪循環となってしまうのです。さらに、代謝が低下すると、年齢不相応の不健康な体となります。

同じ体重で、運動をしている人とそうでない人とを比べた場合、運動をしている筋肉体質の人の方が健康的であることはいうまでもありません。

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